• テキストサイズ

キミのとなりで ずっと【気象系BL】

第15章 誕生祝い to Jun * 3rd



ニノの姉ちゃんは黙って俺たちのやり取りを見てたけど、ニノが落ち着いた頃合いを見計らって声を掛けられた。

「ごめんね、智くん」

姉ちゃんも申し訳なさそうな顔で謝ってくれる。

「潤くんに内緒にしてるとは聞いてたんだけど、まさか智くんにも話してないとは思ってなくて…」

あー、姉ちゃんは俺が分かって来てると思ってたのか。

すげぇグイグイくるなって思ったけど、それじゃ仕方ない。

姉ちゃんはダメでしょってニノを叱って。

「智くん、本当にこのまま進めて大丈夫?」

心配そうな顔で確認してくれたけど。

「うん、お願いします」

俺が素直に頷いたのを見て、安心したように小さく息を吐いた。

たぶんこれだけの準備をしてくれたのは姉ちゃんで。

きっと大変だったと思う。

俺の返事次第ではこれが全部ムダになったかもしれないのか…

俺が頼んだ訳じゃないけど、姉ちゃんは完全なる善意でしてくれてるんだし、そこに気付いてしまったらますます断ることなんて出来ない。

「智くんは色の希望はある?」
「……いや、なんでもいいです」

進んで女装する訳じゃないし、俺に希望なんてあるはずない。

投げやりな答えになっちゃうのは許してほしい。

俺の答えを聞いた姉ちゃんはにっこり笑ったけど。

「じゃあ、智くんが水色。こっちのクリーム色がカズね」

当然のようにニノにも浴衣をあてるからびっくりしてしまった。

え?もう1着はニノの分だったの?
え?この計画立てたのニノなんだよね?

ニノが自ら女装するとはとても思えなくて、頭がハテナでいっぱいになる。

/ 664ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp