第15章 誕生祝い to Jun * 3rd
-Nside-
うふふふふ♡
良いこと思いついちゃった♡
その名も『可愛い智を潤くんにプレゼント大作戦!!』
潤くんの話を聞いた時は一瞬落ち込んじゃったけど、みんなで花火大会に行こうだなんて雅紀のくせにナイス提案だよね。
「ちょっと早めに行って場所取りした方がいいかな?」
「そうだね、そうしたら花火を座ってゆったり見れるし」
「潤は主役だから後からゆっくり来たらいいよ」
「いや…家にいると料理やら掃除やらこき使われそうだから、俺も早めに行くわ」
「ははっ、了解」
「じゃあ、待ち合わせは…」
翔ちゃんが中心になってサクサク予定が立てられていくけど、みんなまとめてビックリさせたいから俺の作戦はまだ誰にも言わない。
ただ、姉ちゃんの協力は絶対必要だから、姉ちゃんには家に帰ってすぐ相談した。
「……そんなわけで、花火大会の日に智を可愛くしたいの!お願い、手を貸して!」
「楽しそうね!いいわよ、協力してあげる!」
俺の話を聞いた姉ちゃんは二つ返事で了承してくれた。
「ありがとう♡」
俺の作戦は単純明快!
智に女物の浴衣を着せて超美少女に変身させて。
可愛い智を潤くんにプレゼントするって言う…まぁ、作戦名そのままなんだけど。
姉ちゃんがいれば百人力!姉ちゃんの協力があれば、この作戦は成功したようなもんだ!
「あ、そういえばカズは?カズも浴衣着るの?」
「俺の浴衣なんてあるの?」
「あるわよ」
「じゃあ、着ようかな」
雅紀が みんなで浴衣着て~ とか言ってたよなって思って。
姉ちゃんの質問に深く考えることなく返事をしてしまった。
後から考えたら、これが大失敗だったんだけど。
この時の俺は作戦が上手くいきそうなことに浮かれてて、全然気付いてなかった。