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キミのとなりで ずっと【気象系BL】

第14章 修学旅行




ぃよっしゃあーーーーー!!!!!


叫びかけて慌てて口を閉じる。

本当は心のままに叫びたい。
この場で万歳三唱したいくらい嬉しい。

でもちょっと落ち着こう。
ここは外だ。そして修学旅行中だ。

いくら旅の恥はかき捨てと言えど、周りは顔見知りの同級生だらけだし。

誰のせいとは言わないが、俺たちはこの旅行中ずっと他校生たちの注目を集めまくってるんだ。

これ以上の不要な視線は遠慮したい。

ちょっと冷静になった俺は、心の中で大きくガッツポーズをするだけに留めることにした。


それにしても、びっくりするくらい幸せだ。

ふわふわと心が浮き足立ち、今日の思い出にシーサーを…と言い出した翔の気持ちが分かってしまう。

「俺たちもシーサー買ってく?」
「いらない」

ちょっと浮かれて智に聞いてみたけど、一言でばっさり却下されてしまった。

「………だよな」

まぁ、俺だってどうしてもシーサーが欲しいわけじゃない。

ただ思い出になるような何かが欲しいだけだ。

その “何か” は何がいいかと考えながら、何気なく空を見上げて。

ふっと閃いた。

「なぁ…帰ったらさ、今日のこの空を絵に描いてくんない?」
「は?空?」
「そう、沖縄のこの空」

突然のお願いに首を傾げる智に空を指さしながら、一緒にもう一度真っ青な空を見上げる。

雲ひとつない高く青く澄んだ今日のこの空を、智に絵に描いて残してほしい。

見る度に今日を思い出せるように。

「その絵をいつか2人の新居に飾りたい」
「……うん、いいね」

智は少し考えてから、ふわりと微笑んで同意してくれた。

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