第2章 誕生祝い to Nino
急に週末に会えなくなってさみしかったこと
そのせいで不安が大きくなったこと
偶然俺と智くんが2人でいるところを見つけてしまい動揺したこと
モヤモヤした気持ちを払拭したかったのに、俺にも智くんにもバレバレの嘘をつかれて傷付いたこと
膨らんでいく不安と疑念に押しつぶされそうだったこと
それでも騙されたフリをしていたこと
俺の心変わりを疑っていたこと
「翔ちゃんに振られるんじゃないかって思って、ずっとこわかった…」
なにか少しでも変なことをしてしまったら、全てが終わってしまうんじゃないかと怯えて
よく眠れなくなって、ご飯も食べられなくなって
それでも俺と離れたくなくて
自分の感情なんて何も出せなくて
ただ人形のように笑っていることしか出来なかった…
カズの言葉の一つ一つが胸に突き刺さる。
どれだけ傷付いて苦しかったのか…
カズの心の内を思うと胸が締め付けられた。
それなのに、カズは怒っていなかった。
俺を全く責めなかった。
伝わってきたのは大きな不安と悲しさ。
そして、それ以上に大きな俺を想う気持ち。
これだけカズを苦しめた俺を、それでもまだ好きだと思ってくれている…
嬉しくて、愛しくて。
喜びが申し訳なさを上回ってしまった。