第14章 修学旅行
智は翔たちと俺を何度か見比べて首を傾げる。
「ニノたちに影響されちゃった?」
「まぁ、されてないって言ったら嘘になるな」
それは認める。
仲良く将来のことを話す2人が羨ましいと思ったし。
そもそもあいつらが同棲するなんて言い出さなければ、俺もこのタイミングで智に伝えようとは思わなかった。
「でも、あいつらのことがなくても、俺はいつか智と暮らしたいって思ってたよ。智とずっと一緒に生きていきたいから」
揶揄ってるわけでも、翔たちに流されたわけでもない。
いつか実現出来る時がきたら、その時に伝えるつもりだった。
伝えるタイミングが早まっただけで、俺の本心であることに変わりはない。
そこは疑われたくなくて、智から目を逸らさずにいたら。
俺の想いはちゃんと伝わったようで、じわじわと智の頬が赤く染っていった。
耳まで真っ赤になって照れる智が可愛い。
その表情を見れば、嫌がっていないことは分かるけど。
それでもはっきりと言葉にしてほしくて。
「返事は?」
催促してみたら、智は赤い顔をぷいっと逸らせた。
「…潤が朝ちゃんと起きれるようになったら考えるよ」
………は!?
当然 “YES” と返ってくると思い込んでた俺は、予想外の返事に愕然としてしまった。
だってそんな日は一生来る気がしない。
もしかして、これは遠回しに断られているんだろうか…
そうだとしたらショック過ぎて立ち直れる気がしないんだけど。