第14章 修学旅行
ニノはしょんぼりしている翔にニコッと笑いかけると、小さなシーサーの置物を手に取った。
「どうしてもシーサーを置きたいなら、これくらいの大きさにしよ?小さくて可愛いでしょ?」
「可愛いけど…」
ニノは笑顔で押し切ろうとしてるけど。
ニノの手のひらにちょこんと乗っかったシーサーと自分の抱えるシーサーとを見比べた翔は、微妙な顔をしていて、うんとは言わない。
「だめ?うーん、それじゃあ…」
翔の顔を見たニノはさっさと置物を元の場所に戻すと、ほかに説得出来そうなものを探してキョロキョロと辺りを見回して。
「あ!あれは?」
「スノードーム!いいかも!」
店内の棚を指さすと翔の顔がパッと輝いた。
翔も抱えてたシーサーを置くと、2人で移動してスノードームを選び始める。
小さな置物はダメでスノードームならいいんだ?
基準が謎だし、シーサーに雪ってちょっとシュールな気もするけど…まぁ、本人たちが気に入ったならいいか。
「カズこれは?」
「可愛い♡でもこっちのも可愛くない?」
「本当だ…迷うな…」
仲良く選ぶ姿は微笑ましくて。
ちょっと羨ましくもある。
俺も智とずっと一緒にいたいし、いずれは一緒に暮らしたいと思ってるから。