第14章 修学旅行
-Mside-
修学旅行最終日。
今日は午前中に学年全員で首里城を見学して、午後は国際通りでグループごとに自由行動。
夕方には空港へ移動して帰る予定だ。
今は土産を見ながら国際通りをプラプラ歩いてるんだけど。
「カズ、見て見て!シーサー!」
「わぁ、いっぱいあるねぇ」
店先に並んでいたシーサーを見て翔が足を止めた。
ニノと一緒に仲良くくっついて覗き込んでいる。
沖縄に来てからもいつも通り…いや、いつも以上に人目を気にせずラブラブだった2人だけど。
今日はそれに輪をかけて空気が甘ったるい。
智たちに聞いた話だと、どうやら今朝、俺がまだ寝てる間に、ちょっと揉めて仲直りして、2人の愛が深まったらしい。
そんなのいつものことじゃんって思うんだけど。
どうやらそのやり取りの中で翔がプロポーズまがいのことを口にして、将来同棲する約束をしたらしい。
当然、まだ具体的なことは何一つ決まっていない。
実際に一緒に暮らせるのは、どんなに早くても大学生になってからだろうし。
下手したら社会人になるまで無理かもしれない。
それでも2人のテンションは上がりに上がって、甘すぎてしんどかった…と、ニノに激甘の智までボヤくくらいひどかったらしい。
朝からぐったりしてた3人には悪いけど、寝てて良かったと心から思う。
今だって十分すぎるくらい甘いのに、これ以上とか遠慮したい。