第14章 修学旅行
「一緒に暮らせたら、毎日一緒に寝て毎朝起こしてあげるね♡」
「ありがとう!」
「毎日おいしいご飯も作る♡」
「楽しみだな!」
翔ちゃんも幸せそうにニコニコしてくれるのが嬉しい。
そうだ!掃除や洗濯の腕も磨いておこう!
翔ちゃんは得意じゃなさそうだもんね。
「うふふ♡」
あーーー、幸せ♡♡♡
「朝から甘すぎて砂糖吐きそうなんだけど」
「さすがにちょっと胸焼けするね」
「ああいうのは2人きりの時にして欲しいよね」
人が幸せを噛み締めてるのに、まだヒソヒソしてる3人がうるさい。
「もう、うるさいな!智も早く潤くん起こしなよ!」
黙らせるために、まだスヤスヤ寝てる潤くんを指さす。
こんだけうるさくても起きないなんて、もはや才能だと思う。
「そうだった…はぁ、仕方ない。さっさと起こすか」
智は大きなため息を吐いたけど、もうごちゃごちゃ言うことはなくて。
素直に潤くんに近づいて行くから、今日はどうやって起こすのかなって見てたら。
「起きろ!潤!」
智は勢いよくジャンプして、迷うことなく寝てる潤くんの上にダイブした。
えええええっ!?
「ぐぇっ…」
カエルが潰れたみたいな声をあげて、潤くんが涙目で目を覚ます。
さすがにこれは…いくら智相手でも潤くんキレるんじゃない?
ほら!ものすごい不機嫌オーラを放ちながら起き上がったよ!
見てるだけの俺がハラハラしちゃうのに、智は全く動じてなくて。
「おはよ、潤♡」
目が合った潤くんに、見たことないくらい可愛らしい笑顔を向けた。
「おはよ…」
潤くんは毒気を抜かれたみたいにポカンとしてる。
智、すごい!
笑顔ひとつで潤くんの不機嫌オーラを消した!
「頼むからもう少し優しく起こしてくれよ…」
それでも潤くんはお腹を擦りながらブチブチ文句を言ってたけど。
「何しても起きないんだから時間のムダ」
智はキラキラ笑顔でバッサリ切り捨てた。
強い!強すぎる!
「あんな起こされ方しても潤がキレないなんて…やっぱり智くんすげぇ!!」
翔ちゃんもめちゃくちゃ感心してたから、深く頷いて同意しといた。