第14章 修学旅行
「ねぇ、カズ」
「なぁに?」
愛が深まって、いつも以上に幸せで。
ゆるゆるになって戻らない顔のまま聞き返したら。
「本当にカズが俺の寝相とかが気にならないならさ…」
「まだ疑ってるの!?」
この期に及んで翔ちゃんがまだそんなことを言うから、反射的にキッと睨んでしまった。
「疑ってません!!」
翔ちゃんはビシッと背筋を伸ばして即否定したけど。
「こわっ」
「翔くん、尻に敷かれてるね…」
「敷かれてる本人が幸せそうだからいいんじゃない?」
外野がうるさい。
いいんだもん!翔ちゃんはどんな俺でも好きだって言ってくれたもん!
「じゃあ、なに?」
ヒソヒソ何か言ってる3人は無視して、翔ちゃんをジトっと睨んでたら。
「いや…その、いつか一緒に生活できるようになったら、毎日一緒に寝て毎日起こしてもらえないかなって思って…」
「えええっ!?」
はにかんだ翔ちゃんがそんなことを言うから、思わず叫んでしまった。
え?一緒に生活って言った?
翔ちゃん、いつか俺と一緒に暮らしたいって思ってくれてるの?
まるでプロポーズみたいな言葉にドキドキする。
え?聞き間違いじゃないよね?
「いつか一緒に暮らしてくれるの?俺と?」
「俺はそうしたいと思ってるよ。カズは?」
確認してみたら、翔ちゃんは力強く頷いてくれた。
聞き間違いじゃなかった!
「俺も!俺も翔ちゃんとずっと一緒にいたい!」
「良かった」
勢いよく答えたら翔ちゃんは安心したみたいに笑ったけど、そんなの俺が断るわけないじゃん!
拒否する理由がどこにもないよ!
いつか翔ちゃんと一緒に住めるんだ。
翔ちゃんも俺とずっと一緒にいたいって思ってくれてるんだ。
夢みたい!!
朝起きてから夜寝るまで…ううん、夜寝てる間も翔ちゃんと一緒にいられて。
いってらっしゃいやおかえりなさいを当たり前に言い合えて。
「うふふふふふ♡」
ちょっと想像しただけで幸せすぎて笑いが止まらない。
「きもっ」
雅紀の失礼な呟きが聞こえて、3人が引いてるのが見えたけど。
そんなの全然気にならないもんね!