第14章 修学旅行
「ばかばか!本当にばか!」
俺の暴言に翔ちゃんは驚いてるみたいだけど、怒ったり遮ろうとしたりはしない。
それなら言いたいことは全部言ってやる!
きっとちゃんと言葉にしてぶつけないと翔ちゃんは分かってくれないから。
「翔ちゃんがちょっとくらいだらしなくたって、寝相が悪くたって、情けなくたって、俺は嫌いになんてならない!」
俺の愛はそんなに小さくない!
「俺はどんな翔ちゃんでも大好きだし、知らなかった翔ちゃんを知る度にもっともっと好きになるんだから!」
いつものカッコよくて優しい翔ちゃんも、こんなことで不安になってオロオロしちゃう情けない翔ちゃんも、みんなみんな大好きなんだから!
「俺の愛は翔ちゃんが思ってる何倍も何倍もでっかくて重いんだ!ちゃんと知っとけ!」
怒ってるから、愛を伝える言葉に甘さなんて全然ない。
顔だって涙でぐしゃぐしゃで、きっとひどいことになってると思う。
それでも、俺が言葉を重ねれば重ねるほど、どんどん翔ちゃんの表情は柔らかくなっていく。
「俺のこともっと信じろ!ばか!」
「……うん、信じてるよ」
ばかばか罵られたのに、翔ちゃんは最後はすごく嬉しそうな満面の笑顔になって。
「泣かせてごめんね。ありがとう、カズ」
俺の涙を優しく拭うと、大好きだよって甘く囁いて抱きしめてくれた。