第14章 修学旅行
隣の部屋に向かうと、雅紀がドアを開けて待っててくれてた。
「ありがと、雅紀」
小さい声でお礼を言って、静かに部屋の中に入って。
足音を立てないように、そーっと翔ちゃんのベッドに近付いていく。
そういえば、翔ちゃんが寝ているところを見るのは初めてかもしれない。
ちょっとドキドキしながら覗き込んだ翔ちゃんは、寝てても超超超カッコよかった!
寝顔までイケメンとかさすが翔ちゃん!
でも寝相はあんまり良くないみたい。
豪快な大の字で寝てて、掛け布団は床に落ちちゃってるし、Tシャツが捲れてお腹が見えちゃってる。
子どもみたいで可愛い♡
寝顔のカッコ良さとのギャップにキュンとしてしまう。
いつまででも眺めていたくなっちゃうけど、今日の目的は起こすことだから、翔ちゃんの寝顔をしっかり目に焼き付けてから、優しく肩を揺する。
「翔ちゃん、朝だよ。起きて?」
「ん……あれ?カズ?」
翔ちゃんもすぐに目を開けてくれたけど、ボンヤリしてて状況がよく分かってないみたい。
寝惚けてるっぽい翔ちゃんは俺をぎゅっと抱き締めると、幸せそうに微笑んだ。
「俺の天使は夢の中まで会いに来てくれたの?」
「しょしょしょ翔ちゃん!?」
「ありがとう、大好きだよ」
「ちょっ…////」
ぎゃー!翔ちゃんが甘い!
昨日の寝起きの潤くんと同じくらい甘い!
朝からぎゅってしてもらえるのは嬉しいけど、智たち3人のニマニマとした生温い視線に1人で耐えるのは恥ずかしい。
智が照れて頭突きした気持ちがちょっと分かる。
俺は翔ちゃんに頭突きなんて出来ないけど。