第14章 修学旅行
「早くしないと翔ちゃんが起きちゃうし、潤くんは起こすのに時間掛かるし。早く行こ!」
「やだ!まだ眠い!寝る!」
「だめ!寝直さないで!お願い、智…」
布団を被り直そうとする智を慌てて引き止めて。
お願いって手を合わせたら、おっきなため息を吐かれた。
「……その顔ずるい」
「どの顔?」
「もー…仕方ないなぁ…」
なんか良く分かんないこと呟いてたけど、やっぱり智は優しい。
やれやれって言いながらも、ちゃんと起きてくれて。
「わぁい♡ありがとう、智!大好き!」
「はいはい、俺も大好きだよ」
嬉しくなってピョンと飛びついたら、返事は若干おざなりだったけどちゃんと受け止めてくれた。
そのまま智とじゃれてたら、隣の布団がモゾモゾと動いた。
「んー…ニノも大ちゃんも早起きだねぇ…」
「あ、風間!おはよ」
「おはよ」
とりあえず智だけ起こすつもりだったけど、風間も起こしちゃったみたいだ。
「ごめんね、うるさかった?」
「大丈夫だよ」
絶対うるさかったんだと思うけど、全然怒らないでにっこり笑ってくれる。
風間も優しい。
「あのね、これから翔ちゃんと潤くんを起こしに行くんだよ♡」
「それはいいけど、今日は先に着替えてからにするんだよ!」
「はーい」
「荷物も整理してね」
「はーい」
風間母さんに怒られないように、良い返事をして。
急いで着替えてちゃんと身だしなみも全部整えて。
最終日だから荷物も全部バッグに詰め込んだ。
俺も智も荷物が少ないから、片付けはすぐ終わる。
急がなきゃ翔ちゃんが起きちゃうってハラハラしてたけど。
いつの間にか風間が雅紀に連絡してて。
まだ翔ちゃんも潤くんも寝てるって確認してくれてた。
本当に風間ってすごい!