第14章 修学旅行
「はぁ?そんなの1人で行きなよ」
起こされた理由を聞いた途端に智はちょっと不機嫌な顔になった。
そんなことで起こすなと言わんばかりだ。
でもそういう訳にはいかないんだよ。
「だって智は潤くん起こさなきゃじゃん」
「何でだよ…」
「だからぁ、恋人だからでしょ!」
昨日も言ったのに、智ったらもう忘れちゃったのかな?寝起きだから?
俺たちが好きな人を起こせる機会なんてあんまりないのに、なんで智はこんな顔するんだろ?
まぁ、照れ隠しなんだろうけど。
だって昨日だって朝からぎゅーってされてラブラブで楽しそうだったもんね。
それに、例え本当に智が嫌でもダメなの。
これは翔ちゃんからのお願いなんだから。
「潤くんを不機嫌にしないで起こせるの智しかいないんだって。翔ちゃんが言ってた」
前に翔ちゃんが起こした時は、起こすのも大変だけど、起こした後もものすごーく不機嫌で大変だったらしい。
昨日の潤くんは、不機嫌どころかめちゃくちゃ可愛くて甘々だった。
俺は通常の寝起きの潤くんを見たことないから比べようがないんだけど。
翔ちゃんはすごくびっくりしてたから、昨日の潤くんはかなりレアだったんだろう。
翔ちゃんが平和に1日をスタートさせるために今日も智に潤くんを起こしてほしいなって言ってたから、智を連れていかなきゃダメなんだよ。
翔ちゃんのお願いごとは俺が叶えてあげたいんだもん。