第14章 修学旅行
「ごめんね、俺もゆっくり寝てれば良かったね」
「翔ちゃん…」
…っていうか!
カズに起こしてもらえるなんて、そんな夢みたいなチャンスを俺は無駄にしてしまったのか…
なんて勿体ない!!
こうなったら明日はカズが来るまで布団から出るのはやめよう!
…なんて、こっそり考えていたんだけど。
「翔くんまで寝坊したら色々収拾つかなくなりそうだから、今回の旅行中はやめてね」
風間には人の思考を読む超能力でもあるんだろうか?
ものすごく冷静に釘を刺されてしまった。
「………はい」
仕方ない。
みんなに迷惑掛けたいわけじゃないし。
これもいつの日かの楽しみに取っておくことにしよう。
「いいなぁ、智…」
「はぁ…」
カズに羨ましがられた智くんは、まだ寝てる潤を見てため息を吐いた。
本当に面倒くさそうだ。
でもこれ以上何か言ってもカズには通じないと思ったのか、諦めたように潤の寝てるベッドの横に立った。
「潤、起きて」
声を掛けながら肩を叩くけど、潤は無反応だ。
うん…まぁ、こんなんで起きるならとっくに起きてるよな。
何度繰り返しても潤が起きる気配はなく、普段は温厚な智くんだけど、さすがにちょっとイライラしてきたようだ。
「起きろって!」
口調がキツくなってるし、容赦なく体を揺さぶってる。
「んん…」
そこまでされて、やっと潤の目がぼんやりと開いた。