第14章 修学旅行
「俺は…眠い…」
「やだぁ!まだ寝ないでー!」
「いや、もう寝よう!明日も早いし!ね!」
もう寝たフリをして逃げようと目を閉じたら、ニノは不満そうな声を上げたけど。
風間は全力で乗っかってきた。
「やだー!」
「はい!電気消します!おやすみ!」
ニノの抗議を無視して、パチッと部屋の電気を消してベッドに横になって。
すぅすぅとわざとらしい寝息をたてて、明らかな寝たフリをしている。
「せっかくのお泊まりなのに…風間の恋バナ聞きたかったのに…」
暗い中、ニノはしばらくブーブー文句を言ってたけど。
誰も返事をしないでいたら、すぐに穏やかな寝息が聞こえてきた。
お、寝たな…
結局一番最初に寝てるし。
やっぱりかなり疲れてたんだろうな。
風間はそろっと体を起こして、ニノの様子を伺ってるみたいだったけど。
本当に寝てると分かると、そっと起き出して。
「良かった…寝てくれた…」
「ふふっ」
何も掛けずに寝てしまったニノに布団を掛けてやりながら、心底ホッとしたように呟くから、つい笑ってしまった。
「あ、ごめん!起こしちゃった?」
「ううん、起きてたから大丈夫。もう寝るけど」
「うん、俺も寝るね。おやすみなさい」
「おやすみ」
ニノを気にして小声でやり取りして。
俺も今度こそちゃんと眠るために目を閉じた。