第13章 誕生祝い to Nino * 3rd
「ニノ、俺もつけるよ」
「……智は俺とおそろいイヤなんでしょ」
頭をなでなでしながら俺も声を掛けてみるけど、ちょっと遅かったみたい。
声がツンツンしてるし、風間の肩に顔を埋めてこっちを見てくれない。
あー、完全に拗ねちゃった…
「ニノとおそろいがイヤな訳ないよ」
「……だってつけたくないって言った」
「ごめんね?俺がつけても可愛くないって思ったんだよ」
「……智は可愛いもん」
謝りながら、めげずにずっとなでなでしてたら、やっとニノが顔を上げてくれた。
まだちょっとぶーたれてるけど、こっちを見てくれたことにホッとする。
「俺もおそろいの仲間に入れて?」
「……やだ」
「そんなこと言わないで?ごめんね?ね?」
「うー…」
拗ねてるだけで本気で怒ってるわけじゃないのは分かるから、引かずに押してたら。
「……仕方ないから入れてあげる」
素直じゃないニノらしい返事をしながら、風間から離れてドーンと体当たりしてきた。
そのまま、ぎゅううっとしがみついて来るのが可愛い。
「智のばか」
「ごめんね、ニノ」
抱きつく手は緩めずに憎まれ口を叩くのも可愛くて。
ふわりと抱き締め返す。
「でも大好きだよ?」
「………俺だって大好きだもん」
好きだと伝えたら、同じ言葉が返ってきた。
あ、もう大丈夫そう。
まだ拗ねた声だけど、耳が赤い。
本当に可愛い。
見守ってくれてた風間も安心したみたいに笑ってる。
良かった良かった!
…まぁ、翔くんはすごい顔してるけど。
どうせ別行動になったら翔くんとイチャイチャするんだから、今はいいでしょ。
何も見なかったことにしちゃうもんね。