第13章 誕生祝い to Nino * 3rd
何を言っても “やだ” としか言わないニノに、泣きそうな顔で俺に縋るような視線を向けてくる翔くん。
面白そうに成り行きをニヤニヤ見てる潤と雅紀に、心配そうにオロオロしてる風間。
風間も祝われる側なのに余計な心配をかけて申し訳ない。
…っていうか、それを言うならニノもだよ。
せっかくの誕生日祝いの日なのに、こんなことでニノが笑顔で過ごせないのはダメだろう。
仕方ない…
これも誕生日プレゼントだと思って俺が折れようと口を開きかけたら
「ニノ、俺はいいよ?」
俺より一瞬早く、風間がニノに声を掛けた。
「え?」
「一緒にミッキーになろうか」
「本当?いいの?」
「俺でよければ…」
控えめな風間の提案に、ニノの顔がパッと明るくなって。
「うれしい♡ありがと、風間♡」
ぴょんと風間に抱きついた。
慣れない風間はよろけてたけど、ニノに抱きつかれて満更でもなさそうな顔してる。
いつもなら、あの位置にいるのは俺なのに…
なんかちょっと胸の辺りがモヤモヤする。
もしかしてこれってヤキモチ?
俺も翔くん化してるんだろうか。
モヤモヤしながらじっと見ていたら、パチッとニノと目が合って。
ニノはキッと俺を睨むと、風間に抱きついたまま、またツーンとあさっての方を向いてしまった。
これが地味にショックで。
ガーンと立ち竦んでしまう。
でも、ニノもあんな態度だけど、うるうるの瞳は悲しいって訴えてた。
目は口ほどに物を言うって本当だよね。
カチューシャつけるくらい、ニノを泣かせてまで嫌がることじゃない。
もう俺の負け。
ま、最初から勝ち目なんてなかったけどね。