第13章 誕生祝い to Nino * 3rd
-Aside-
やれやれ…
みんなからお祝いされて、笑顔の戻ったニノを見て苦笑してしまう。
こうやって黙って笑ってれば可愛いのに。
口開くと可愛くないことばっか言うんだから!
最初から素直に祝われとけっつーの!
「相葉ちゃん、食べよ?」
「そだね!いただきまーす!」
心の中で悪態をついてたら、風ぽんに声を掛けられて、慌てて手を合わせる。
抱っこ待ちに時間を取られたから腹ペコだ。
「はい、カズ。あーんして」
せっせと弁当を食べる俺たちの横で、バカップルは尚もイチャイチャしようとしてたけど。
「あーん…んん?」
「あれ?どうしたらいいんだ?」
翔くんと重なるみたいにして膝の上に座ってるニノ。
そのまま食べさせようとすると、二人羽織みたいになっちゃって。
しかも食べさせる側が不器用な翔くんだから、うまくニノの口に運べずワタワタしてる。
膝からおろせば簡単に食べさせられるだろうに。
でも翔くんは絶対そんなことしないよね。
なら、せめてニノを横向きに座らせるとかすればいいんじゃないの?…って思いつつ黙って見てたら、助け舟を出したのは智だった。
「俺が食べさせてあげる。翔くんは抱っこに専念して」
「ありがとう、智くん」
翔くんから箸を受け取ると、ごく自然にニノの口にご飯を運ぶ智。
「はい、ニノ。あーんして」
「あーん」
なかなかの光景なんだけど。
ニノも翔くんも智も疑問はないんだろうか…?