第13章 誕生祝い to Nino * 3rd
どうやら “1日中翔と手を繋いでいたい” というのが、今年のニノの誕生日プレゼントの希望らしく。
それを叶えるべく、朝からニノにべったりの翔。
それは別にいい。
普段より糖度が高いだけで全然いつも通りだし。
ただ、今日は平日で。
当然授業があって。
さすがに授業中は手を繋ぐことは出来ない。
当たり前のことだ。
でも、普段は常識人なのに、ことニノが絡むと途端に色々吹っ飛ぶのが翔で。
当たり前だからと諦められなかった翔は、ちょっと前にひと騒動起こしかけてた。
授業中も手を繋ぐ方法を色々考えた翔が、最終的に辿り着いたのは席替えだったらしく。
なんと、担任やクラスメイト全員を巻き込んで、こんな何もないタイミングで席替えをしようとしたんだ。
ニノと隣の席になれれば、教科書を忘れたことにして机をくっつけて手を繋げる…という考えらしい。
まぁ、確かにそれならこっそり手を繋げそうだけど。
いくらなんでもやり過ぎだろうと思ってたら、翔が行動に移す前にニノが全力で止めた。
みんなに迷惑かけちゃダメ!
授業は真面目に受けなきゃダメ!
なんて、けっこう本気のトーンで説教してて。
翔はションボリと落ち込んでたけど。
ニノは「その代わり授業以外の時間は手を離さないでね」って最後にしっかり甘えることも忘れず。
いやぁ、さすが!
飴と鞭の使い方が上手いわ。