第13章 誕生祝い to Nino * 3rd
今日家まで迎えに来たのは、1分でも1秒でも早く直接お祝いを言いたくて。
1分でも1秒でも早くカズを抱き締めたかったからなんだけど。
でも、これは今年のプレゼントでもあるんだ。
去年はカズと付き合って初めての誕生日だったから、記念に残るものをと思って、張り切って手作りの指輪をプレゼントした。
反省点はめちゃくちゃ多いけど、結果的にはとても喜んでもらえたし。
我ながら良いプレゼントだったんじゃないかと思うんだ。
でもさ、じゃあ今年はどうする?…って考えたら、早々に行き詰まってしまった。
手作りの指輪を超えるプレゼントって何?
いや、去年を超える必要なんてないのかもしれないけど。
でもやっぱりより良いものを贈りたいじゃない?
2年目に相応しいプレゼントとは何なのか…調べに調べたけどピンとくるものはなくて。
結局自力で考えるのは諦めて、本人に聞くことにした。
今年は絶対サプライズはしない、カズが少しでも不安になるような行動は取らないって決めてたからね。
カズを喜ばせられるなら、聞くことになんの躊躇いもない!
まぁ、自分で決めるのがあまり得意じゃないカズだから、ハッキリした答えが返ってくるかは分からなかったけど。
それでも聞いてみたんだよ。
誕生日に欲しいものはある?って。
そしたらね、ちゃんと答えてくれたんだ!
「ものじゃなくてもいい?」
カズはちょっと悩んでたけど、何か思い付いたみたいで。
「もちろん!」
ものじゃないって具体的に何かは分からなかったけど、即答する。
どこか行きたい場所でもあるのかな?
今年も週末にみんなで夢の国に行く予定だけど。
他にもカズに行きたい場所があるならどこへだって連れて行ってあげる。