第13章 誕生祝い to Nino * 3rd
-Sside-
最近雨ばかりだったのに、今日は朝から青空が見えていた。
雨の日も好きだけど、今日は青空が嬉しい。
だって今日は特別な日だから。
この青空も神様からのプレゼントだと思う。
今日は、俺にとって誰よりも何よりも大切な人が生まれた日。
今朝は雨じゃないけど、待ち合わせの公園を通り過ぎてカズの家まで迎えに来た。
絶対にカズを待たせることがないように、いつもより早い時間からスタンバっていたんだけど。
やっぱり誕生日だからなのかな?
カズもいつもの待ち合わせよりかなり早い時間に玄関から出てきて。
「翔ちゃんっ♡」
俺に気付くと、本当に嬉しそうに目を輝かせてくれた。
早く来ておいて良かった!
カズのこの顔が見れただけでも俺は幸せだけど。
黙って両手を広げたら、カズは何の躊躇いもなく飛び込んできてくれて。
「カズ、誕生日おめでとう♡」
「ありがと♡翔ちゃん♡」
ぎゅうっと抱き締めてお祝いを伝えれば、俺の腕の中で幸せそうに笑ってくれる。
1つ歳を重ねたカズも絶好調に可愛い!!
ああ、こんな可愛い子が恋人だなんて俺は本当に本当に幸せだ!!
いつまででも俺の宝ものを抱き締めていたいけど。
残念ながら今日は平日で。
学校に行かなきゃいけないから、泣く泣く体を離して。
すぐにカズの右手を捕まえる。
「行こうか」
「うん♡」
恋人繋ぎにした手を揺らしながら、いつもの通学路を学校に向かって歩く。
いつもと同じ景色のはずなのに、今日は全てがキラキラ輝いて見える。
だってカズの誕生日だもんね。
きっと空だけじゃなくて、太陽も風も道端に咲いてる花も、みんなみんなカズを祝ってくれてるんだと思う。