第10章 ホワイトデー
「ねぇ、カズ。これからは俺に会いたいって思ったら金平糖を食べる前に俺を呼んで?可能な限り駆け付けるから」
「…え、でも夜中とかが多いんだよ?」
突然のお願いにカズが戸惑ってるのが分かる。
でもカズが寂しい思いをしてると聞いちゃったら、そのままにはしておけない。
「無理な時は電話だけになっちゃうかもだけど。いつでも、どこにいても、何をしてても、絶対出るから。カズが寂しくなくなるまでお喋りしよう」
「寝てるのを起こしちゃうかもだよ?」
「そんなの全然かまわないよ」
俺の腕の中から、ちらりと上目遣いで様子をうかがってくるのがまた可愛くて頬が緩む。
夜中でも早朝でも。
本当にいつでもいいよ。
俺だってもっとずっとカズと一緒にいたいし、いつだってカズの声を聞きたいって思ってるんだから。
「いいの?そんなこと言われたら、調子に乗って本当に電話しちゃうよ?」
「もちろん!大歓迎!」
今もほぼ毎晩電話やメッセージで連絡取り合ってるんだけどね。
それでも足りないって思うのが、俺だけじゃないのが嬉しい。
「前にも言ったけど俺がカズを笑顔にしたいんだよ。金平糖にも負けたくない!」
「ふふっ…うん、わかった」
冗談だと思ったのか、カズが楽しそうに笑う。
俺はいつだって本気で言ってるんだけどな。
「ありがとう、翔ちゃん♡」
まぁ、こんな可愛い笑顔が見れるなら伝わってなくたっていっか。