第2章 誕生祝い to Nino
-Nside-
涙が後から後から溢れて止まらない。
泣きながら走ってるから息も苦しい。
でも足を止めることはできなかった。
ちょっとでも早く、翔ちゃんたちから遠ざかりたかった。
今日も家でダラダラしてたら買い物を頼まれちゃって。
それが前に翔ちゃんたちを見たのと同じくらいの時間だったから、嫌な予感はしたんだ。
でも明日は誕生日祝いでディズニーに行く日だから、その前日に…なんてことはないよねって思って。
それにやっぱり翔ちゃんと智を信じたかった。
あんなあからさまな嘘つかれたって、信じたかったんだよ。
だから買い物を引き受けたのに…
俺のそんな淡い期待はあっさり打ち砕かれた。
買い物帰りに人混みの中、前回と同じ場所で同じように立ち話をする2人を見つけてしまって。
心が凍りついたみたいに冷たくなって、体まで動かなくなった。
見たくないのに、2人の笑顔から目が離せない。
やっぱり嘘だった…
そりゃあ、嘘だって分かってた。
でもあの日だけだと思いたかったのに…
ずっと2人で会ってたの?
2人で何をしていたの?
胸の中で不安と疑念が渦巻いて、頭がグラグラする。
気持ち悪い…
倒れそうかも…
「ニノ!」
気が遠くなりかけた俺を現実に呼び戻してくれたのは、突然現れた潤くんだった。