第9章 バレンタイン
-Nside-
今年のバレンタインは平日。
前日の今日、タイミング良く風間が部活ないって言うから、智と3人でダッシュで学校を飛び出して。
事前に作るものを決めて材料は準備してたから、そのままうちのキッチンに直行した。
「みんな付き合って初めてのバレンタインだもん。とびっきり美味しいお菓子作って喜ばせちゃおーね♡」
「「おー!」」
みんなで拳を突き上げて気合い満点!
よーし!やるぞー!!
「風間はこれとこれとこれを合わせてふるってくれる?」
「はーい」
「智はバター練ってー!」
「オッケー」
2人よりお菓子作りに慣れてる俺が自然と指揮を執ることになって。
あれこれ指示しながら、自分もフル稼働!
今回はチョコブラウニーとマンディアンを作るんだけど、焼く時間を考えてブラウニーから。
智が練ってくれたバターにお砂糖入れて、卵も入れて、ふわっとするまで混ぜて。
「風間、ふるった粉ここに入れてー」
「はい!」
「智はヘラでさっくり混ぜてー」
「はいはい」
「クルミ入れまーす」
最初にローストして砕いておいたクルミも入れて。
型に流し入れたら、予熱しといたオーブンに入れてスイッチオン!
「すごい!早い!」
「混ぜて焼くだけだもん」
お菓子作り初心者の風間はすごく感心してるけど。
今回は簡単に作れるものを選んだし。
3人いるから作業も早い。
「焼いてる間にマンディアン作っちゃお♡」
「はーい!」
チョコレートはさっき溶かしておいたから、それをトレーに流して爪楊枝で模様を描いて。
ナッツやドライフルーツを飾ったら、もう完成!
あとは冷蔵庫で冷やすだけ。
「超簡単なのに何だかオシャレに見えるー♡」
俺でもそれなりに見えるものが出来たから、智が作るとどうなるのか気になって覗いて見たら
「わ!さすが智!可愛い♡」
智はなんかやたら凝った模様を描いてた。
ナッツやドライフルーツの乗せ方もセンスがキラリ!流石としか言えない!