第9章 バレンタイン
「ニノは最初から友だちだって思ってたと思うよ?」
とりあえずニノをフォローしてみたら、風ぽんは分かってるって笑った。
「でも俺は、これで本当に仲間に入れたって思えたんだ」
「…そっか」
晴れやかな笑顔に、それ以上は何も言えなかった。
「多分だけど、ニノは俺の気持ちに気付いてて…それでわざとあんな誘い方してくれたんじゃないかな…」
うん、そうかもしれないね。
ニノはいつだって周りのことをよく見ていて、人のことにはすぐ気付く優しいやつだから。
今度こっそりニノにお礼を言おう。
風ぽんの抱えてた不安に気付いて、こんな笑顔にしてくれてありがとうって。
でも本当は俺が気付かなきゃいけなかったんだよね。
誰よりも風ぽんの近くにいたのは俺なんだから。
ごめんね、風ぽん…情けない彼氏で。
でも風ぽんは謝って欲しくてこんな話したんじゃないと思うから、グッと腹に力を入れていつも通りの笑顔を作る。
「風ぽんの手作りチョコめちゃくちゃ楽しみにしてるからね!」
「いや、お菓子なんて作ったことないから、あんま期待しないで…」
答える風ぽんもいつも通り。
「あ、でも元々バレンタインには何か用意するつもりだったんだよ?」
「くふふ、ホントにー?」
「本当だよ!…そりゃ、手作りの予定ではなかったけど///」
いつも通りとっても可愛い!
この可愛い笑顔を守れるように、これからはもっと頑張るから!頼れる彼氏を目指すからね!
大好きだよ、風ぽん!