第9章 バレンタイン
「風ぽん大好きー♡」
「なっ…突然なにっ…///」
溢れる愛しさのままに抱きついてみたら、風ぽんは真っ赤になって固まった。
かーわーいーいー♡
って、デレれてちゃダメだね!
風ぽんが不安を感じたなら、それはちゃんと取り除いてあげなくちゃ!
「ニノは兄弟みたいなもんだからさ、保護者気分っていうか…それだけだったんだけど。イヤな気持ちにさせちゃったならごめんね」
「ううん、2人は付き合いの長い幼なじみだって分かってるのに…俺の方こそ変なこと言ってごめん…」
笑ってほしくて謝ったのに、風ぽんは何だかシュンとしてしまった。
落ち込むことじゃないのにー!
風ぽんは俺がニノのこと好きだったの知ってるから…だから余計にニノの名前に敏感に反応しちゃうのかもしれないな。
でも今好きなのは風ぽんだから!
風ぽんが不安なら何度だって伝えるよ!
届け!俺の愛!
「全然変なことじゃないよ!風ぽんがヤキモチ妬いてくれて、俺めちゃくちゃ嬉しかったよ!」
「え?」
「風ぽんに愛されてるんだって実感できたもん♡ありがと♡」
「……///」
風ぽんは照れて黙り込んじゃったけど、口角は嬉しそうに上がってた。
良かった!ちゃんと届いたみたい。
安心したところで、話を元に戻す。
「でも本当に、ニノのワガママに無理に付き合う必要ないからね。イヤならイヤってはっきり言っていいんだよ」
風ぽんから断りにくいなら、俺が代わりに言ってもいい。
でも風ぽんは、はっきりと首を横に振った。
「ううん。そりゃちょっと驚いたけど…俺、ニノに誘ってもらえて嬉しかったよ」
「あ、そうなの?なら良かったけど…」
風ぽんに無理してる感じは全然なくて。
どうやら余計な心配だったみたい。
風ぽんが嬉しいなら良かったよ!