第8章 誕生祝い to Sho
「腹はいっぱいだけど、ケーキももちろんいただくよ!」
お腹いっぱいにしないでと言うお願いは聞けなかったけど、そこは誤解されたくないからしっかり宣言させてもらう。
甘いものは別腹だしね、余裕余裕!
でもカズはニコッと笑って首を横に振った。
「ありがと。でも、ケーキは後でにしようね」
「え…」
「無理して食べて、翔ちゃんがお腹痛くなっちゃったらイヤだもん」
カズは本当に心配してくれてて。
俺のために言ってくれてるのは分かる。
でもこのままケーキも食べる気満々だったから、なんかちょっとガッカリしてしまって。
すぐに返事をしなかったら、カズがまたちょっとシュンとしてしまった。
「もしかして、もう帰らなきゃダメ?…そうだよね、翔ちゃんのおうちでもお祝いするよね…」
「いやいやいや!」
何も言ってないのに先回りしてどんどん落ち込んでいってしまうカズを慌てて止める。
「まだ全然大丈夫だよ!夕飯までに帰ればいいから…」
こんなに早く帰るなんて嫌だ!
俺がどれだけ今日を楽しみにしてたか…知ったらカズは引くんじゃないかってくらいなのに!
「ほんと?まだ一緒にいれる?」
「うん、俺はカズとずっと一緒にいたいよ」
「えへへ、良かった」
本気で引かれたら悲しいから、軽めの口調にしたけど。
でも本心だからね。
俺はカズとずっと一緒にいたいと思ってる。
今日だけじゃなくて。
これから先もずっと…
カズにどこまで伝わってるかは分からないけど、可愛く笑ってくれたからそれだけで嬉しい。