• テキストサイズ

キミのとなりで ずっと【気象系BL】

第8章 誕生祝い to Sho



「美味しかった!ごちそうさまでした!」
「お粗末さまでした」

ぱちんと手を合わせて頭を下げたら、カズも一緒にぺこりと頭を下げた。

ここが自分の家なら、床に大の字で転がってしまいたいくらい腹いっぱいだ。

さすがにカズの前でそんな行儀悪いことは出来ないから、椅子の背もたれに寄りかかる。

これも行儀悪いかもしれないけど、寝転ぶよりはマシだろう。

「あー、幸せだー」

ちょっとダラケた姿勢でパンパンに膨れた腹をさする。

ここに詰まってるのはカズの愛だと思うと、幸せで顔がにやけてしまう。

でも空になった皿を嬉しそうに眺めていたカズは、腹をさする俺に気付くと心配そうに顔を曇らせた。

「お腹苦しいの?大丈夫?俺、食べさせ過ぎちゃった?」
「そんなことないよ!全然大丈夫!」

シュンと落ち込むカズに慌てて否定するけど。

「…でも、お腹いっぱいだよね?」
「それは…うん…」

満腹なのは事実だから、そこは嘘はつけない。

そういえば、お腹に余裕残しておいてねって言われてたのに、結局満腹になるまで食べてしまった。

でも仕方ないよな…

だって、食べさせ合いっこは幸せすぎて、途中でやめるなんて考えもしなかったし。

もし1人で食べていたとしても、カズの手料理を残すなんて出来るわけがない。

それでもカズのお願いを聞けなかったことは申し訳ない。

「ごめん」
「そんなの謝ることじゃないよ。俺はたくさん食べてもらえて嬉しいし…翔ちゃんが苦しくないならいいの」

素直に謝ったら、カズは首を振ってニコッと笑ってくれた。

/ 664ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp