第8章 誕生祝い to Sho
「あー、うますぎて箸が止まらない」
「たくさん食べてね♡あ、でも…」
夢中で食べる俺をカズは嬉しそうに見ていたけど、ふいに何かを思い出したみたいに言い淀んだ。
「なに?」
「えっと…出来たらお腹に余裕残しといてほしいな…」
「なんで?」
当然完食しようと思っていた俺は、首を傾げてしまう。
カズの手料理を残すという選択肢は存在しない。
でも、さすがにこの量を完食したら余裕は残らないと思う。
カズは何故か恥ずかしそうにモジモジしていたけど、じっと見つめていたらぽそっと口を開いた。
「あのね…俺、ケーキも作ったの…///」
「えっ!?」
ケーキって、いわゆる誕生日ケーキ?
こんなにたくさんご飯を作ってくれたのに?
一体どれだけの手間と時間を掛けて準備してくれたんだろう…
「だからケーキも食べてほしくて…でも、あの、もしかして手作りケーキなんて引いてる?」
感動に打ち震えて何も言えずにいたら、カズが不安そうに瞳を揺らした。
ヤバい!誤解させてしまう!
「引くわけない!すげー嬉しい!」
もう幸せすぎて、今日1日でこれから何年分かの幸せを使い切ってるんじゃないかと心配になるくらいだ。
「もちろん有難くいただくよ!ありがとう、カズ!」
「よかった///」
俺の想いよ伝われ!と、隣に座るカズをぎゅっと抱き締めたら、カズは安心したようにほわっと笑った。
あーもう、可愛い!!幸せだ!!