第8章 誕生祝い to Sho
「うんま!」
オムライスは口に入れた瞬間にもう美味かった。
飲み込むのも待てずに叫んでしまったら、カズの顔がぱあっと輝いた。
「ほんと?」
「めちゃくちゃうまい!」
「嬉しい♡」
弾けるような笑顔で喜ぶカズがめちゃくちゃ可愛い。
ああ、この可愛い笑顔をずっと見ていたい!
なのに、オムライスが美味すぎて食べる手を止められない!
矛盾する心と体…
脳内で一瞬葛藤したものの、結局勝ったのは食欲だった。
だって幸せで胸はいっぱいでも腹は減っている。
カズの手料理をたくさん食べたくて朝から何も食べていないから!
崩したくないと思っていたのなんてどこへやら…
小さめに作られていたオムライスはあっという間に消えていった。
「パスタも食べる?」
「食べる!」
無心で食べる俺を嬉しそうに眺めていたカズは、今度はささっとパスタをよそって差し出してくれた。
「はい、どうぞ♡」
勧められるまま口にしたパスタもやっぱりうまい!
「これこれ!やっぱりうまいなー!」
「さすが潤くんのレシピだよね」
カズはにこにこ笑ってるけど。
もちろんレシピもいいんだろうけど。
カズが作ってくれたから、より美味しく感じるんだよ。
愛情が最高の調味料だなんてよく聞くけど、本当にそうだと思う。
唐揚げはもう何度も食べてるけど、出来たてのまだ温かい状態で食べるのは初めてで。
お弁当でも十分美味しいんだけど、揚げたてはやっぱり最高に美味い。
きっと約束の時間に合わせて揚げてくれたんだと思う。
グラタンやスープも熱々で。
作るタイミングもだし、メニューもきっとお弁当では作れないものをってたくさん考えてくれたんじゃないかな。
カズの愛を感じる度に、料理がより一層美味しく感じるよ。