第8章 誕生祝い to Sho
「いらっしゃい、翔ちゃん♡」
にこやかに出迎えてくれたカズはエプロン姿で。
新妻のような可愛さにズキュンと心臓を撃ち抜かれる。
自宅だからか服装はちょっとラフな感じだけど、髪の毛は可愛く編み込まれている。
きっと今日もお姉さんがスタイリングしてくれたんだろうな。
俺たちのために、なんの予定もなかったのにわざわざ外出することにしてくれたって聞いたし。
もう本当にお姉さんには足を向けて寝られない。
それにしてもカズは今日も絶好調に可愛いなぁ…
「翔ちゃん?どうしたの?」
ぼんやりカズに見惚れてしまっていたら、カズに怪訝な顔をされてしまった。
「どうぞ上がって?」
「お邪魔します!」
慌てて靴を脱いで上がらせてもらう。
「翔ちゃん、こっち」
いつもお邪魔した時はカズの部屋へ直行するんだけど、今日はリビングに通された。
「わ!すごい…!」
足を踏み入れるなり感嘆の声をあげてしまう。
リビングが華やかに飾り付けられていたから。
1番最初に目に飛び込んできたのは
“HAPPY BIRTHDAY SHO” の文字。
「これカズが1人で…?」
料理もして、飾り付けもして…なんて、かなり大変だったんじゃないだろうか。
喜ぶより先に、無理をさせてしまったのでは…と心配になってしまう。
でもカズはふるふると首を横に振った。