第8章 誕生祝い to Sho
-Sside-
やっと!やっとやってきた!
俺の誕生日!!!
いやぁ、自分の誕生日がこんなに待ち遠しかったのは子どもの時以来かもしれない。
小さい時は、欲しいおもちゃを買ってもらえて、大きなケーキが食べられる誕生日は特別な日で。
指折り数えてその日を楽しみに待っていた。
それが成長するにつれて、誕生日にはしゃぐなんてなんだかカッコ悪い気がして。
どうしたって普段の日とはちょっと違う特別な日なのに、ここ数年は誕生日なんて意識してませんよって顔して過ごしてた。
あ!去年はカズやみんなのおかげで、とても幸せな誕生日だったけど。
今年は友だちだった去年とは違う。
カズと恋人になって初めての誕生日で。
しかも、カズの家で2人きりで祝ってもらえることが決まっている。
俺が当日はカズと2人で過ごしたいってワガママを言ったからだけど。
…まぁ、そんな訳でかなり前から誕生日が楽しみで待ちきれなかったし。
楽しみにしていることを隠す気も全くなかった。
昨夜はドキドキしてしまってなかなか寝付けなくて。
それなのに今朝は異様に早く目が覚めて。
二度寝しようとしても全く眠れなかった。
仕方なくそのまま起きて、カズとの約束の時間までソワソワソワソワ落ち着きなく過ごした。
舞に冷たい視線を向けられたから、よほど挙動不審だったのかもしれない。
カズに指定されたのは正午ぴったり。
本当は朝からカズに会いたかったけど、「美味しいご飯がんばって作るからね♡」なんて可愛く言われちゃったら、もっと早く会いたいとは言えなかった。
色々準備があるだろうし。
早く押しかけてしまったら、頑張ってくれてるカズを焦らせてしまうかもしれないと思って。
一分一秒でも早くカズに会いたいところを、ぐっと我慢して。
正午ちょうどにカズの家のインターホンを鳴らした。