第8章 誕生祝い to Sho
「はぁぁ…びっくりさせるのって難しいねぇ…」
「別にびっくりさせなくてもいいんだけどね」
いい案が思いつかなくてつい愚痴っちゃったら、ニノがあっさりそんなこと言うから驚いてしまった。
「え!?そうなの!?」
サプライズしたいって、驚かせたいってことなんじゃないの?
「え?ニノはサプライズがしたいんだよね?」
「したいけど…翔ちゃんを喜ばせられるなら別にサプライズじゃなくてもいいもん。さっき智がそう言ったんじゃん」
言った。確かに言ったけど。
それでもニノはサプライズに拘ってるのかと思ってた。
「そうなの?じゃあびっくりはいらないの?」
「あってもいいけど、翔ちゃんが喜ぶならなくてもいい」
「そっかぁ…」
びっくりさせなくていいのかぁ…
なんか肩の力が抜けた。
びっくり要素が必要ない、翔くんが喜ぶ指輪の渡し方でしょ?
「それなら簡単だよ」
ニノがお祝いするってだけで翔くんは喜ぶ。
なんなら「おめでとう」ってにっこり微笑むだけでも喜ぶと思う。
だけど今回は、ニノが愛を込めて一生懸命作ったプレゼントがあって。
同じく愛情たっぷりの手作りご飯にケーキまで用意するんでしょ?
もう十分すぎるくらいだと思うけど。
それだけじゃニノが納得できないって言うなら…
「プレゼントを渡す時に、ニノが自分の想いをまっすぐ伝えればいいんだよ」
「俺の想い…?」
「そう!『翔ちゃん大好き』って言えばいいの!」
「なっ…///」
びしっと指を突きつけて提案したら、ニノはボッと赤くなった。