第8章 誕生祝い to Sho
「家で出来るサプライズってなんだろ?」
「うーん…」
機嫌を直してくれたニノが真剣な顔して悩み始めたから、俺も真面目に考えてみる。
ううーん…
潤の誕生日の時も思ったけど、サプライズって本当に難しい。
「ケーキ作るんだよね?そのケーキの中に指輪隠すとかは?」
「………なんかヤダ」
ニノのためにと捻り出した案はあっさり却下されるし。
「なんで?」
「指輪ベッタベタになっちゃうし…それ以前に食べ物にっていうのが衛生的にヤダ」
「…それはそうか」
確かに、食べ物をムダ…にはしないかもだけど、そういうことに使うのは良くない。
それもニノが翔くんのために作るケーキなんだから、美味しく食べてもらわなきゃ。
そもそも、プレゼントは指輪だって分かってるんだから、わざわざ隠す必要ないのか。
でも隠さないでするサプライズって何だろう?
ものが分かってる状態で驚かす方法って?
うううーん…
「あ!マジックとかは?」
「マジック?」
「そうそう。誰も触ってないのにエイってやったら次の瞬間には翔くんの指にはまってる…みたいな!」
「そんなこと出来たらめちゃくちゃびっくりするだろうけど。それもうマジックじゃないよね!魔法だよね!そんな力、俺にはないよ!」
また却下された…
それも力いっぱい…
まぁ、俺もこれは無理だろうと思って提案したけど。