第8章 誕生祝い to Sho
-Oside-
予想より早く指輪が完成したから、てっきりさっさと帰るもんだと思ってたのに。
可愛いことを言って、ニノはまだ俺の部屋にいる。
俺は全然いいんだけどさ。
せっかく時間が出来たのに本当に翔くんはいいのかな?
それともまだ何か俺に用があったりする?
理由が何であれニノが翔くんより俺を選んでくれたのはちょっと優越感だけど…なーんて。
そんなことをぼんやり考えてたら、ニノが何かを期待するようにじーっと俺を見つめてた。
「なに?」
「一緒に考えてくれるんでしょ?」
「……なんだっけ?」
甘えるようにこてっと首を傾げるニノは可愛いけど。
いきなり何の話だろ?
主語がないからサッパリわからなくて。
俺も首を傾げてしまったら、ニノがむぅっとむくれた。
「指輪の渡し方!」
「そうだった」
あー、そっかそっか。
その話がしたくて残ってたのか、なるほどね。
さっきの疑問の答えが分かってスッキリした。
「ついさっき話したばっかなのに!智から一緒に考えよって言ってくれたのに!忘れるなんてひどくない?」
ニノはプンスカ怒ってるけど。
怒ってるっていうより拗ねてる感じだし全然怖くない。
「あはは、ごめんごめん」
「ぜんぜん悪いと思ってないでしょ!」
むしろ可愛くて笑っちゃったら、ますますニノのご機嫌が斜めになっちゃったけど。
「ふふ、ごめんね。ちゃんと考えるから許して?」
謝りながらニノの頭をなでなでしてたら、むくれるのをやめてくれた。