第8章 誕生祝い to Sho
赤くなって照れてるニノはめちゃくちゃ可愛い。
ペアリングにしたいだなんて、言ってることもめちゃくちゃ可愛い。
でもちょっと答えに悩んでしまう。
だってさ、翔くんも本当はニノが作ったみたいなごくシンプルな指輪を目指してたんだよ。
結果は……ね、とても味のある仕上がりだったけどね。
「翔くんのは付けようとして付けた模様じゃないから…マネするのは難しいんじゃないかな…」
「えー…そうなの…?」
とりあえずやんわりと否定してみたら、ニノはちょっと不満そうな顔をした。
うーん…
そりゃね、彫刻刀とかで削ったり傷をつけて似せることは出来ると思う。
でもさ、それって翔くんは嬉しいかなぁ?
まぁ、ニノが作ったものだから絶対喜ぶとは思うよ?
でも意図してない…どっちかと言えばつけたくなかった模様(…と言っていいのかも悩むもの)を、わざわざマネされたら悲しくならないかな…
俺ならそんなことされたらちょっと落ち込む気がする。
あの指輪は翔くんにしか作れない。
だから、ニノもニノにしか作れない指輪を作るのが一番いいんじゃないかと思うんだけど。
「ねぇ、ニノ…俺、思うんだけどさ…」
納得いかない顔をしてるニノに、とりあえず俺の考えをそのまま伝えてみる。
俺の考えが正しいかは分からないけど。
ニノも翔くんも心から喜べるプレゼントになってほしいから。
たどたどしい説明もニノはちゃんと聞いてくれて。
どうしても言葉足らずになってしまう俺の言いたいことをきちんと読み取ってくれる。
「…だから、無理にマネするんじゃなくて。ニノにしか作れない愛を込めた指輪を作るのが一番いいんじゃないかな…って俺は思う」
ニノが上手に聞き出してくれたおかげで、なんとか言いたかったことは全部言葉に出来た。