第8章 誕生祝い to Sho
ニノが…あ、もちろん翔くんも、指輪作りに使ってるのはアートクレイシルバーっていう要は銀の粘土で。
普通の粘土みたいに扱えるから簡単にシルバーアクセサリーを作ることが出来る。
俺も潤のバングル作りに使ったけど、子どもの時の粘土遊びを思い出して作るのがすごく楽しかった。
「できた!見て見て!」
ずっと集中してたニノがパッと顔を上げると、目をキラキラさせて、出来たばっかりの指輪を差し出してきた。
シンプルな細身のリング。
とても綺麗に出来てる。
所々ほんの少し歪みがあったりするけど、それも手で作った温かさを感じてすごく良いと思う。
「うん、上手!すごく綺麗に出来てる!」
「良かった~」
思ったことをそのまま伝えたら、ニノはホッと胸をなでおろした。
「じゃあ、次はドライヤーで乾燥させるよ」
「うん…あ!そうだ!ねぇ、模様を入れるのはどうしたらいいの?」
「え?模様?模様を入れたいなら乾燥させた後に入れられるけど…」
「そっか、乾燥が先なんだね」
ニノはドライヤーのコンセントを入れて、指輪に風を当て始めた。
「よーくよーく乾燥させてね。水分が残ってると割れちゃったりするから」
翔くんがありとあらゆる失敗をしてくれたから、気をつけるべきことは分かってるんだ。
「わかった」
ニノは素直に頷くと丁寧に乾かしていく。
ひたすらドライヤーを当てるだけだから、俺はヒマで。
「どんな模様を入れたいの?」
細かい作業をしてるわけでもないから大丈夫だろうと、気になったことを聞いてみる。
シンプルな指輪を作りたいって言ってたのに、急に気が変わったのかな?
ニノはちょっとモジモジしていたけど、黙っていても仕方ないと思ったのか
「…あのね、翔ちゃんのくれた指輪と似せたいの…ペアリングみたいにしたくて///」
頬を赤く染めながら、内緒話みたいに教えてくれた。