第8章 誕生祝い to Sho
「えっとね、俺は潤の誕生日にさ…」
潤にバングルを渡した時のことをニノに説明していく。
俺はプレゼントがあること自体隠してたから、完全なるサプライズだったわけで。
ニノとは状況がちょっと違うけど、渡し方の1つの例というか参考にはなる…はず。
それにしても、俺がない頭をひねって柄じゃないサプライズをしたなんて、自らバラすのはめちゃくちゃ恥ずかしい。
ニノのことだから、絶対からかってきそうだし。
…なんて思っていたら。
「へぇー、智がそんなことをねぇ…」
案の定、真面目に聞いてたはずのニノは聞き終わるなりニマニマしだして。
「潤くん嬉しかっただろうなぁ。まさか智がそんなロマンチックなことするなんて思ってなかっただろうから、まさにサプライズ!愛だねー♡」
落ち込んでたのがウソみたいに、なんか1人でやたらと盛り上がってる。
俺はめちゃめちゃ恥ずかしいけど…
こんなんでニノが元気になるならいいよ。
あんなしょんぼりした顔されてるより笑顔の方が絶対いいもん。
「別にサプライズにこだわることないと思うし。翔くんが喜ぶ渡し方を考えようよ」
でもやっぱり恥ずかしいから、無理やり話を元に戻した。
ニノの顔がパッと明るくなる。
「智も一緒に考えてくれるの?」
「もちろん」
「ありがと、智」
ふわっと笑った顔は本当に嬉しそうで。
やっと可愛い笑顔が見れたことに俺も嬉しくなる。
まぁ渡し方とか関係なく、翔くんはニノからのプレゼントってだけでめちゃくちゃ喜ぶと思うけどね。
「でもその前に指輪作るよ!翔くんが喜ぶ素敵なの作るんでしょ?」
「うん!」
「渡す指輪がないとか、サプライズ以前の問題だよ!」
「うん!がんばる!」
「じゃあ始めよ!」
「はーい!」
急に張り切って、持ってきた道具や材料を作業台に並べていくニノが可愛くて。
ふふっと小さく笑ってしまった。