第8章 誕生祝い to Sho
「まさかとは思うけど…翔くんにサプライズが良かったみたいなこと言われたの?」
翔くんは絶対そんなこと言わないと思うけど。
ニノの落ち込みようから、そのまさかを疑ってしまう。
恐る恐る聞いてみたら、ニノはすぐに首を横に振った。
「ううん、翔ちゃんはそんなこと言わない。隠しごとがないの嬉しいよって言ってくれた」
やっぱりそうだよね。
翔くんならそう言うよね。
とりあえずホッとしたものの、ニノはやっぱり元気がなくて。
「じゃあ、なんでそんな顔してるの?」
「…プレゼントの中身が分かっちゃってるの、嬉しさ半減なんじゃないかって…思っちゃって…」
ああ、また1人で色々考えて不安になっちゃってるのか。
「サプライズだけが相手を喜ばせる方法じゃないでしょ?」
「それはそうなんだけど…」
「ニノが一生懸命作ったプレゼントを翔くんが喜ばないわけないじゃん」
「うん…でも…」
なんとかニノの気持ちが晴れればと思うんだけど、俺が何を言っても納得してくれない。
そもそも、なんでこんなにサプライズにこだわるんだろ?
要は翔くんを喜ばせたいってだけでしょ?
「どうしてもサプライズしたいなら、渡し方を工夫すればいいんじゃない?」
「渡し方?」
「うん…」
キョトンと首を傾げるニノはピンと来てないみたいだ。
いつもあんなに頭の回転速いのに、なんでこういう時に限って鈍くなるの?
具体的な話しなきゃダメかぁ…
恥ずかしいけど仕方ない。
ニノのために腹を括ろう。