第8章 誕生祝い to Sho
-Oside-
約束通りの時間にピンポンとインターホンが鳴って。
「いらっしゃい」
「今日はよろしくお願いしまーす」
特に確認もしないで玄関を開けたら、そこに居たのはニノ1人だった。
「あれ?1人なの?」
「そう言ったじゃん」
思わず確認してしまった俺に、ニノは当たり前でしょって顔をする。
いや、うん。聞いてたけど。
なんだかんだ言って結局は翔くんも来るんじゃないかと思ってたんだよね。
だって翔くんだし。
ニノは指輪作ること隠してないし。
なんとなく来ない方が不自然な気がしちゃったんだよ。
玄関は寒いからとりあえず話は後にして、ニノを俺の部屋に連れて行く。
「翔ちゃん、実物見るのは楽しみに取っておきたいんだって…」
ニノは抱えてた荷物を置くと、もそもそとコートを脱ぎながら、ポツリと呟いた。
翔くんが来なかった理由になるほどと納得する。
でもニノはちょっとしょんぼりしていて。
なんで元気がないんだろ?
翔くんが一緒じゃなくてさみしいのかな?
「やっぱり俺も内緒にしとけば良かったかな」
内心首を傾げていたら、ニノがまたポツリと呟いた。
ニノは最初っから隠す気がなくて。
どんなに些細なことでも全部翔くんに話してた。
去年のニノの誕生日の時、サプライズのせいで不安な思いをしたから、自分はしたくないんだろうなっていうのは俺でも分かる。
あの時は、翔くんだけじゃなくて俺も一緒になってニノを追い詰めちゃったから、それは今でもすごく反省してる。