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キミのとなりで ずっと【気象系BL】

第8章 誕生祝い to Sho



「行きたいけど…すごく気になるけど…」

毎日でもカズと会いたい俺にはとても魅力的なお誘い。

カズがどんな風にどんな顔をして指輪を作ってくれるのか、すごく興味もある。

でも、もらう前に見てしまうのは勿体ない気がしてしまって。

「…実物を見るのは当日の楽しみにしておこうかな」

さんざん迷った末にそう答えたら、カズの表情が曇ってしまった。

えっ…俺、答えを間違えた?
誘いを断ったのがまずかったんだろうか?

「カ、カズ?」
「………ごめんね」

焦ってオロオロしていたら、しょんぼりしたカズに謝られて。

ええっ、何でカズが謝るの?
俺が何かしちゃったんじゃないの?

謝られる心当たりがなくて、ますます焦る。

「何でカズが謝るの?」
「だって俺のプレゼント…サプライズのドキドキが全然ないよね…」

聞いてみたら、カズは素直に教えてくれた。

どうやら誘いを断ったことではなく、違うところに引っかかってしまったようだ。

「翔ちゃんはすごく色々考えてくれたのに…」

そんなのカズが落ち込むようなことじゃない。

俺が勝手にやっただけだし、最終的に喜んでもらえたとは言え、自己満足もいいところだった。

サプライズにしなかったのはカズの優しさだって俺は知ってるよ。

「そんなこと気にしないで?カズが何でも話してくれるの、俺はすごく嬉しいよ?」
「ほんと?」
「本当!すごく安心する!」

不安そうに聞き返すカズに即答する。

「本当の本当だからね!」
「うん…なら良かった…」

俺の気持ちが伝わるように、しっかり目を合わせてから念押ししたら、カズはやっと笑顔を見せてくれた。

「じゃあ、どんな指輪が出来上がるのかだけ、サプライズにさせてもらうね」
「楽しみにしてるよ」
「俺、翔ちゃんに喜んでもらえるようにがんばる!」

頑張らなくていいよ。
どんな仕上がりだって嬉しいんだから…

そう言おうとしたけど、カズがあまりにも可愛く張り切ってるから、口に出すのはやめておいた。

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