第7章 誕生祝い to Masaki
…って、そりゃそうか。
俺まだちゃんと伝えてないもんな。
俺の意識がどんだけ変わったって、言葉にしなきゃ風ぽんに伝わるわけないよ。
こんな周りに人がいっぱいいる場所で。
手には食べかけのパニーニ持って。
ロマンチックの欠片もない。
無計画で行き当たりばったりにも程があるけど。
伝えたいと思った時が伝える時なはず!
俺にとって、それは今なんだ!
背筋を伸ばして、体ごと風ぽんに向き直る。
「俺ね、風ぽんが好きだよ。恋愛の意味で好き」
「……………は?」
俺は真面目に伝えたつもりだけど、風ぽんは何を言われたのか分かんないって顔して間の抜けた声を出した。
あれ?伝わってない?
「風ぽんが好き。ずっと好きだったけど、昨日それが恋愛の好きだって気付いたんだよ」
「……え?なに?」
「えっと、一応告白してるつもりなんだけど」
「……………え?」
風ぽんはポカンとしてる。
目も口も開いたままの、まさにポカーンという効果音がピッタリな顔。
「風ぽんは?俺のこと好きじゃない?」
さっきと同じ質問をもう一度ぶつけてみる。
でも風ぽんは固まったまま何にも答えてくれない。
あれあれ?
なんか想像してた反応と違うぞ?
もしかして風ぽんも同じ気持ちだと思ったのは勘違いだった?
風ぽんの好きは友情としての気持ちだけだったの?
うわぁ…もしそうなら超恥ずかしい!
俺、自意識過剰な勘違いヤローじゃん!