第7章 誕生祝い to Masaki
「風ぽんの何だっけ?」
「定番のハムチーズだよ。食べる?」
何気なく聞いたら、風ぽんは食べかけのパニーニを差し出してくれたから。
「いいの?ありがと!」
風ぽんの手を掴んで引き寄せて、そのまま1口かじらせてもらった。
「うん、美味い!やっぱ定番は間違いないね。でも俺のも美味いよ!食べる?」
俺のはプルコギチーズ。
はいっと差し出してみたけど、反応がない。
「風ぽん?」
「え!?…あ…ううん!いや!うん!」
風ぽんは何故か固まってたけど、その顔を覗き込んでみたら、みるみるうちに真っ赤になってワタワタしだした。
「どしたの?」
「何でもない…いただきます…」
風ぽんは赤い顔のまま、俺の持ってるパニーニをぱくっと小さくかじった。
「美味しい…///」
可愛い!!
って言うか、よく考えたらこれって “あーん” と同じじゃない?!
あーあ、さっきガマンしたのに無意識にやっちゃったよ…
あ!だから風ぽんが照れてたのか!!
やっとそこに思い至った。
「あ、相葉ちゃんのは焼肉だっけ?」
「えっと…プルコギチーズだよ」
「そっか、これも美味しいね」
まだ赤い顔してる風ぽんを見てたら、なんか俺まで恥ずかしくなってきて。
なんだか会話もちょっぴりぎこちない。
こんくらいのこと、今までいくらでもしてきたのにな。
俺の意識が変わっただけでこんなに違うんだ。
照れくさくて、でも幸せで。
なんだかムズムズこそばゆくて落ち着かない。
風ぽんは今までどうだった?
毎回こんな可愛く照れてたっけ?
思い出せないのが勿体ないって思うくらい、今の風ぽんは可愛くて。
あぁ、愛しいなぁって心から思った。