第7章 誕生祝い to Masaki
全員イルカとの触れ合いを楽しんで、次は魚釣りへ。
釣った魚はその場で調理してもらってすぐ食べれるっていうから、お昼に合わせて行くことにしてたんだ。
俺も楽しみにしてたし、魚釣りが好きな智もウキウキしてる。
「たくさん釣るぞー!」
でもニノまで張り切ってるのがちょっと気になって。
「ねぇ、ニノ大丈夫なの?」
「大丈夫って何が?」
心配になってつい尋ねた俺に、ニノはキョトンとした顔を向けた。
こいつは自分が魚が苦手なことを忘れてんのか?
川に行った時も見てるだけで竿にすら触れようとしなかったくせに。
イルカに触れたことで自信がついたのかな。
大丈夫ならそれでいいんだけど。
まぁ、嫌ならいつもみたいに見てればいいだけか。
何だかんだ俺もニノに対して過保護だな…と気付いてちょっと苦笑いしてしまった。
「釣った魚は全部食べなきゃだから、釣りすぎに注意だよ?」
「はーい」
翔くんの提案で竿は3本だけ借りて、2人1組で交代で釣ることにした。
組み合わせは言わずもがな。
最初に竿を握ったのはニノと智と俺。
簡単に釣れるらしいって聞いてたんだけど、釣り糸を垂らして数秒でニノが騒ぎ出した。
「わっ!どうしよう!釣れちゃった!やだやだ!」
どうやら早速釣れたらしい。
本当にすぐ釣れるんだなぁって感心して見てたけど、ニノはプチパニック状態になっちゃって。
てっきり翔くんに助けを求めるもんだと思ってたら
「はい!雅紀にあげる!誕生日プレゼント!」
ニノはくるりとこちらを向いて、魚がついたままの釣竿を俺に押し付けてきた。