第7章 誕生祝い to Masaki
でも俺がのんきにしてられたのはそこまでで。
やっぱりニノの思考回路は俺には予想も出来ないものだった。
「あのね、智には潤くんと思いっきりイチャイチャしてほしいの」
「………はい?」
なんだって?
イチャイチャ?俺と潤が?
なんで?なんのために?
雅紀のためっていうのはどこに行ったわけ?
楽しそうに説明してくれるニノに対して、俺の頭の中には疑問符しかない。
でも首を捻る俺にはお構いなしに、ニノは話を続ける。
「俺たちもイチャイチャするから!」
それは改めて宣言するまでもなく、いつも通りでしょ!
…じゃなくて!
もっとちゃんと説明してって詰め寄った俺に、ニノは潤にしたのと同じようなことを力説した。
全然納得出来なかったけど、歩きながら話してたもんだから、すぐ駅に着いちゃって。
しかも雅紀が先に着いてたから、それ以上は話が出来なくて。
やっぱりやだって言えないうちに、「じゃあよろしくね♡」って満面の笑顔でバチっとウィンクまで飛んできた。
ニノは通常の3割増くらいで翔くんとイチャつきながらも、しっかり周りを見てたらしい。
潤が電車に乗ってくるなり、ものすごい視線を感じて。
うっかり振り向いたら、その目が「やれ!」って言ってた。
うぅ…無言なのに圧が強すぎる…
無視したら後が怖いし。
腹を括るかぁ…
でっかいため息を吐いて。
雅紀のため、雅紀のため…と自分に言い聞かせながら、そっと潤に近づいて、俺なりのイチャイチャを頑張ったのだった。