第7章 誕生祝い to Masaki
水族館はみんなで一緒にまわることにしたんだけど。
自然と3組に別れて、つかず離れずの距離でそれぞれに楽しんでる。
ニノから作戦内容を聞いた潤は、最初は胡散臭げな顔してたのに。
何だかんだニノに言いくるめられちゃってさ。
今やニノと同じくらいノリノリになっちゃってる。
水槽を見てまわる間も俺の腰に手を回し、時には肩を抱き寄せ。
顔が近い!声が甘い!
いつもと違う距離感に、俺の心臓はドキドキしっぱなしなんだけど!
せっかくの水族館なのに楽しむ余裕が全然ないよ…
この作戦ほんとに効果あるの?
でも潤に聞いてみたら
「いや、俺も最初は何言ってんだと思ったけどな。やっぱりニノは雅紀のことよく分かってるわ」
なんて、やたら感心してて。
雅紀がいつもよりテンションが高いのは、楽しみにしてた水族館に来れたからだと思ってたけど。
俺に分からないだけで、どうやら雅紀に何かしらの影響は与えられてるらしい。
それならいいんだけどさ…
「だから引き続き頑張ろうな」
潤に耳元で囁かれて。
超至近距離でにっこり微笑まれて。
ボンッと顔が赤くなるのが自分で分かった。
雅紀のためになるなら頑張るけどさ!
でもやっぱ心臓に悪いよ!
言い出しっぺのニノを恨みがましく見てみれば。
目をキラキラさせて魚を見てるニノの後ろから翔くんが両手を水槽について、腕の中にニノを閉じ込めるみたいにしてる。
何あれ…壁ドンならぬ水槽ドン?
てか、ほぼバックハグじゃない?
見てるだけで照れちゃうような体勢なのに、ニノは平然としてて。
時々振り返っては頬が触れ合いそうな距離で何か喋って笑い合って。
いっそ清々しいくらいのイチャつきぶりに尊敬の念を抱いてしまった。