第7章 誕生祝い to Masaki
「それにさ…」
ニノがにまっと笑う。
ニノがこんな顔をする時はろくなことがない気がするから、つい身構えてしまう。
「もしうまくいかなかったとしても、この作戦で潤くんに何か損がある?むしろ得しかなくない?さっきだって可愛い智にデレデレだったじゃん」
げ…見てたのかよ…
あんだけ翔しか目に入ってません状態だったくせに!
「俺たちも作戦だから頑張ってラブラブしてたんだよねー♡」
「そうそう!作戦だからね!頑張ってたんだよね♡」
うそつけ!お前らは作戦なんて関係なくナチュラルに年中イチャついてんだろ!
作戦アピールをするバカップルに、心の中ではツッコミが止まらない。
でも説明を聞いたおかげで、さっきの智っぽくない行動がこの作戦のせいだったと分かって納得したし。
…確かにニノの言う通り、俺に損はないんだよなぁ。
「雅紀が幸せになれるかもしれなくて、俺たちもハッピー♡こんな良い作戦ある?」
ものすごいドヤ顔なのは若干鼻につくけど。
理由が分かったから、智が甘えてくれるのを単純に楽しめそうだし。
ま、本音はね。
作戦なんかじゃなく智の自発的な意思で甘えてほしいけどね。
何よりも雅紀のためなら…いや、本当に雅紀のためになるのかは疑問だけど。
少しでも何かになるかもしれないのなら。
俺に否と言う理由はない。
ま、ニノがこんだけノリノリで智も巻き込まれてる時点で、俺に拒否権なんてないんだけどな。