第7章 誕生祝い to Masaki
「智、潤くんに言ってないの?」
ニノが不思議そうに首を傾げると、智がむうっとむくれた。
「だってその作戦聞いたの今朝だし!ずっと雅紀が一緒にいたから話すタイミングなんてなかったでしょ!」
「あ、そっか」
智が文句を言うと、ニノはちっちゃく舌を出してテヘッと可愛らしく笑った。
明らかに笑って誤魔化そうとしてると思うんだけど、可愛い笑顔に智は仕方ないなぁってすぐ許しちゃってる。
ま、もともと怒ってないんだろうけどね。
ニノはわざとらしい咳払いをすると、くるりと俺の方に向き直った。
「えっとね、俺たちがラブラブしてるのを雅紀に見せつけて、雅紀も風間とこうなりたいって思わせちゃおうって作戦だよ♡」
楽しそうに説明してるけどさ…
なんだそれ?
正直とても効果があるとは思えない。
つい胡乱な目を向けてしまったが、ニノはめげない。
「雅紀って単純だからさ、ラブラブな空気にのまれてその気になりそうじゃない?」
ニコニコ可愛く笑ってるけど、言ってることは結構ひどい。
要は良い雰囲気を作って、自分の想いもしくは風間の想いに気付かせてあげたいってことなんだろうけど。
雅紀に早く幸せになってほしいんだって
そのために何かしたいんだって
素直に言えばいいのにさ。
本当に雅紀が絡むと素直になれないよなぁ。