第7章 誕生祝い to Masaki
ニノは水を差されたとでも言いたげにムッと口を尖らせたけど。
拗ねた顔のまま、風間を見て、雅紀を見て、もう一度風間を見て。
俺の言いたいことが分かったのか、うーんと考え込んでしまった。
「…でも雅紀は明らかに変だよね?」
「変って…まぁ、いつもとはちょっと違うな」
「昨日なんかあったのは絶対だよ!」
どうでもいいけど楽しそうだな!
ニノは目をキラキラさせて、やたらイキイキしていて。
雅紀たちの関係に進展がありそうなのが嬉しいんだろうな。
ま、気持ちは分かる。
俺だってちょっとニヤニヤしてしまうというか。そんな気持ちになってるもんな。
翔も智も楽しそうなニノを微笑ましそうに見守っていたけど。
「ねぇ、ニノ…それなら作戦はもうなしでいい?」
ふいに智がおずおずと口を挟んだ。
作戦?なんだそりゃ?
突然出てきた単語に疑問しかないが、それはなんだと聞く前にニノが口を開いた。
「だめだめ!ほんとに付き合い出したのかわかんないし!作戦は実行です!」
「えー…」
ノリノリなニノに対して、智は渋い顔になる。
「……智やなの?」
「やじゃないよ!やじゃないけど…」
智の反応にニノがシュンとすると、智は慌てて否定したけど、やっぱりどこか煮え切らない感じだ。
そもそもの “作戦” とやらが分からない俺には、2人のやり取りもイマイチ意味が分からない。
分からないことはさっさと聞こう。
「なぁ、その作戦ってなんなんだ?」
「え?ラブラブを見せつけてその気にさせちゃおう作戦だよ?」
いや、そんな知ってて当たり前みたいな顔されても。
そんな作戦初耳なんだが…