第7章 誕生祝い to Masaki
マジマジと雅紀を観察してしまっていたら、突然後ろからグイッと引っ張られた。
「は?何?」
「しーっ!!」
こういうことをするのはニノに決まってるけど。
それでも突然のことに驚いて思わず声を上げてしまったら、静かにしろと怒られた。
理不尽だ!
そのまま引きずられるようにして雅紀たちから離れた場所まで連れて行かれる。
「おいニノ…」
「ねぇ!見た!?雅紀の顔!!」
とりあえず文句を言おうとしたが、何やら興奮気味なニノは全く聞く耳持たずだ。
まぁ、仕方ないか。
ニノも気付いたっぽいもんな、雅紀の態度の変化に。
…って、あんだけ分かりやすけりゃ誰でも分かるな。
「おそろいのキーホルダーとかつけちゃってるし!あんなの今までつけてなかったよね!?」
キーホルダー??
ニノに言われて雅紀たちを改めて見てみる。
本当だ!
2人してバッグに同じバスケットボールのキーホルダーを付けてる。
ニノのやつ、あんだけ翔とイチャついてたくせに、この一瞬でよく気付いたな…
「もしかしてあの2人も付き合い始めたのかな?きゃー♡」
ニノはテンション高く、まるで恋バナをする女子のようにキャッキャとはしゃいでいるけど。
「いや…それにしちゃ風間がいつも通り過ぎじゃね?」
もし本当に付き合いだしたのなら。
風間にとっては片想いが実ったってことだ。
それなら、もっと喜びとか幸せとか…隠そうとしたって滲み出てくるものがあるんじゃないか?